もう一つ目が覚めたら出来なくなって面白かったことがある。意識がもどってしばらくした、病室のベッド。写経のようなことをしたことがあった。手本があって、その真横で真似して書く。それだけなんだけど、それが出来なかった。それが面白くて一人、ベッド横のパイプいすに座って笑っていた。漢字が書けない。
子供3人の名前を書いた。書ける。覚えている。念の為、忘れないようにA4の紙に何度も書いた。同じことの繰り返しでもあるし、さすがに書けた。でも、やめると書けないような気がした。何度も書いた。
写経が先か名前が先かは覚えていないけど、写経は出来なかった。この世にない漢字を書いていた。字が写せない。変な字が書けるのは脳出血したから。そうでなければ普通の字、世の中にある普通の字を書いていた。普通って何？
