koji3776のブログ

2022年入院 50代 高次脳機能障害 1年8ヶ月ぶりに会社復帰

右足を切る人

4人部屋の隣に新たに人が入ってきた。カーテン越しに先生、看護師さんとのやり取りの声が聞こえてきた。隣の人は右足を切るらしい。年齢は40歳少し超えたくらい。カーテンの下から覗くと脚はまだ2本ある。でも壊死しているらしい。夜は電気を消さないので、結構明るい。丁寧でよくしゃべる。少ししゃべりすぎかも。看護師さんが引き止められている。右足を切る人は手術の日からいなくなった。静かになった。手術のあとしばらく静かだった。

そして切断して、担架にのって隣に帰ってきた。よくしゃべり丁寧な物言いは変わっていないが、当然動けない。買い物もするおばちゃんにお菓子のあれこれを頼んでいた。そんなにたのんでいいん?と思っていたら。許可が出ているようなことを言っていた。しばらくして、ウトウトして目が覚めると、脚が痛い痛いと大騒ぎしだした。お菓子を機嫌よく食べたあとのようだ。痛い、痛いと言っていた。寝ても覚めても痛いらしい。ずっと痛い痛い言っていた。カーテン越しに下は確認しなかったけど、右足はなくなっている話もしていた。右足が急になくなると、どうなるんだろうか。なんでお菓子を食べたんだろう。

それよりも印象に残ったのが、看護師さんが「1~10までで痛みはどれくらいですか?」と聞いていたこと。私は聞かれなかった。聞かれたとしても答えられなかったはず。自分や、他人、先生、看護師さんにそれぞれの9があるだろうから。人によって9は違うから、分かり合えないはずだと思っていた。9や1が一緒の人がいれば仲良くなったりするんだろうかと考えながら明るすぎる天井を見ていた。