koji3776のブログ

2022年入院 50代 高次脳機能障害 1年8ヶ月ぶりに会社復帰

モモ

 今年3月の自宅療養中にミハイル・エンデの、ミヒャエルかも。その著作「モモ」の最初の部分だけ読んだ。

 

 昔むかし、人間が今の言葉を話す前の物語。町外れの廃墟と化した円形劇場のひとつに女の子が住みついた。髪の毛はボウボウ、服はボロボロ。だけど綺麗な瞳をしていた。その女の子の名前はモモ。

 いつしか、モモはこの町に欠かせない存在になっていた。なぜなら彼女は人の話を聞く。ひとの話を聴くのが、得意だった。

 ある日も、モモは聞いていた。円形劇場の右端に大男、左端に痩せっぽちの男。その真ん中で話を聞いていた。大男も痩せっぽちも罵り合っていた。2人は大声で怒鳴り合っていて、何を言っているのかわからない。怒鳴り合っている真ん中にモモがいる。話を聞いている。怒鳴り合いが続いていたがモモは黙って聴いていた。そうこうしているうちに、陽は暮れかけてきた。相変わらず怒鳴り合っているが、大男と痩せっぽちの話が整理されてきた。どうもお互いに誤解があるようだ。2人とも罵り合っているうちにようやく勘違いがわかってきた。やっと誤解が解けて、2人は肩を組んで仲良く帰った。その後、綺麗な夕焼けが町をそめていった。

 

 モモには友達がいる。その1人が観光案内を仕事にしている若者のベッポ。話がうまくて明るい彼は、お客を満足させる。時には行きすぎてしまい冗舌を通り越して、作り話が混じってしまう。お客は嘘だとわかっていても彼にチップをはずんでしまう。嘘とわかって払っているんだからいいじゃないか、と彼は言う。

 もう1人の友達は清掃の仕事をしている、おじいさんのジョー。彼は長年、真面目に、黙々と掃除をしている。休みにモモと一緒にいるところをよく見る。ジョーはモモに一言話して、考え込んでしまった。そのまま一日中考え込んでしまうこともある。思案にふけったあと慎重に言葉を選んで話し始めて、また止まった。モモはそれが当然のようにジョーが話し始めるまで待っている。ジョーもモモもそれが普通のように思っている。

 そんな3人は友達どうしである。

〜〜〜

この後、モモ達は時間泥棒の灰色の男達と戦う。それ以降は読んでいないから知らない。

 

 というような話だったような気がする。機会があれば、もう一度きちんと読んでみたい。合っているんだろうか。

 リハビリ病院でも先生が紙一枚くらいのニュースや昔話を読んで、私が後から何が書いていたのか答える。のような事をしていた。もう1人の先生に「沈黙は金」多弁は銀と教えてもらった。

 

 話すよりも、聞く方が難しい。人はどうしても自分のことを話しがちになる。この日記も自分のことを書いている。最初はリハビリのつもりで始めたが、日記というのはリハビリ以外にも、普通の人、プロ以外の人にはいいフラストレーションのはけ口になっているとも思う。

 普段の会話で、人に気持ちよく話してもらうのは難しい。会話やロープレで自分よりも相手がどれくらい話しているか試してみると案外、自分の割合が多い。9割くらい相手がしゃべる方がいいと、受けた講義では言っていた。

 最後に受けた授業では、その道のプロなら相手の話を気持ちよく受け止めて、もしそれが間違っているようなら正しい方へ、それとなく案内するように。皆さんは聞くことに集中して一瞬たりとも間違ったこと言わないよう知識を積み上げてくださいと言っていた。

f:id:Koji3776:20231205070443j:image