3階のベランダで機嫌良く、洗濯物を干していた。
下からドンドンドン!
階段を登ってくる音がする。
だんだんと近づいてくる。来た。
「まだ干してるん!」
(なんで、それ言うのか不思議)
「はい!さいご!」(ドン!)
(なんでも!をつける。)
干し終わって下に降りる。
「保険証しらん?」
「この前、病院行ったとき自分で持ってたやん」
「そんなん知ってるわ!ないねん!」
(体操選手なら、なんで10点ちゃうねん?!
ってブチ切れるくらいの綺麗な演技)
洗濯かごを一階に置いて戻ると、
「あったわ。」
普通に戻っていた。
ちょっと、いい湯沸器を思い出した。
「保険証、言われる前にだしや。」TVを消しながら言う。
「うわ、なんで消すん?」帰阪している長女が返す。
「違うねん、根っこ生えてくやろ。」
そんなことを言いながら会社に行った。
・・・
静寂。
しばらくすると、クーラーの音が聞こえだした。
小鳥のさえずりさえも聞こえる。
ような気がする。