快晴の土曜日、昼過ぎ。病気後はじめて、大学生の長男マンションに行く。
前列に運転手の家内と、次女ちゃん。行くのは初めて。カーナビを入れる。
うしろの座席は高次脳の私。病気前に一度行っている。
マンションまで23キロ。高速で30分はかからない。
車内はスノーマンが流れている。運転は順調。
前列では噛み合ってなさそうなスノーマンとなにわ男子の話が、なぜか噛み合っている。
私は「池田おりたら左やで。」と言った。
陽気な音楽をかき消して声のボリュームが上がる。どっちなんとか、右とか左とか、乗るとか降りるとか。
池田出口は広い。降りたら左と言ったはずだけど、何故か右に右に流れて行く。左なんだけど。車は結局あきらめたようにブレーキを踏みながら、行ってはダメな右車線に入って行く。長男のマンションは左に降りたらすぐだけど。
そしてもう一度、高速道路にのっていた。
「これ、どこ行くん?!
なぁどこ行くん!出口ないやん」
高速に再び乗ると思ってなかったからどこへ行くかは知らない。
「声ちっちゃいねん!音楽かかってんのに、わからんやん!」
「私、忙しいねんからナビやってーや!」
時々、自分が病気なのか、そうでないのか、わからなくなる。症状に病識の欠如とある。そして手帳は申請中。だけど、車内ではそう言う事を全く感じさせない。
しばらくすると宝塚と標識が出ていた。
下道に降りた。長男のマンションから8キロ離れた。
次女ちゃんが言った「高速乗ったけど、時間変わらんやろな。お金もかかったしな。」
確かに。普通はもう着いてる。普通って?
そして続けて言う、「なぁ。パパ後ろで笑ってんで〜」
なぜか大騒ぎが少し面白い。病気のせいかも。
リハビリの先生に、こう言う時の正解を教えて欲しいと思った。
「なぁ、なに笑ってるん?!」
高速を降りてしばらくすると、前2人が「暑っつ〜」と言い出した。
問題は次々とおきる。「エアコンも壊れてるわ!」
車はもう10年以上乗ってる。今シーズンはじめてエアコンをつけたが全く効いていない。
私もたまらず窓を開けた。
皆も、窓を全開にした。
快晴の日にエアコンから温風が出ている。
?
?
後ろの座席から見える。
?
ACボタンが点灯していないような気がする。「ACボタン消えてない?」
家内「いや、壊れてんねんって」
そう言って何かボタンを押した。
程なく温風が冷風に変わった。
しばらくすると、クーラーが効いてきた。
気持ち良く効いてきた。
寒いくらいだ。窓を閉めた。
私は、よせばいいのに「クーラー壊れてるって言ってなかった?」と安易に聞いてしまった。
ここは、「沈黙は金」でいくべきだった。
家内は、沈黙は金を通した。偉い。
長男ちの周りは狭い道が多い。
色んな事がおき、紆余曲折があってマンションに着いた。
2時間ほどかかった。
車内は狭いけど、精神鍛錬の世界が広がっている。
着いてから4人でカレーを食べた。https://machitto.jp/hokusetsu/11045/
プリンも買って帰った。https://machitto.jp/hokusetsu/34873/